阪神の奮闘1999

其の零:前書き〜頼むぞタイガース〜
とうとうこのページも四年目に突入。今年こそ「優勝計画」だけに終わって欲しくないものですが…。 例年「今年の阪神は一味違う、今年こそ」思って(?)この企画を作っているのですが、 毎年「やっぱり今年も…」 期待通り優勝などする気配は全くなく、単なる湯舟のページとなっていました。 しかし去年は二軍とはいえ一応優勝したし、諸悪の根元M好球団社長もいなくなったし、 さらに新たに野村監督を迎えたし、「今年こそ」やってくれるでしょう。 …と、日本中の何百万人(?)の阪神ファンが信じているとこが怖い。日本最大の危険な宗教かも。 きっと阪神優勝の夢を時々見るのは僕だけではないでしょう。

まあとりあえずざっと去年を振り返ってみましょう
とまあ、語るのも悲しいですが、そう、今年はほんとにホントに違うのです
ということを信じて書いていくコーナーです。一体シーズン終盤にはどうなっているのでしょう?

其の壱:開幕前〜ひょっとするかもタイガース〜
御存知のようにあのM好球団社長とその戦友らしい吉田監督が辞め、あの野村さんが監督に就任。
新庄を投手兼任にしてみたり、さっぱり育たなかった安達を再び投手に転向させたり話題作りに余念がありません。
そう1999年のセ・リーグは阪神をなしには語れないのです!!
ちなみにそこで「そこまで投手に困っていたのか、そういや阪神って先発の左腕が絶滅寸前だなあ(安達は左)」とか、 「ひょっとして阪神で一番球速があるのって新庄か?」などと冷静にいっていてはいけません。
ある筋によると新庄などはオール・スターで前人未踏の大記録を達成するのではないかと、早くも報道陣が注目しているらしいです。 あの江夏でさえ出来なかった一試合13三振!! 気の早いファンは早くも道頓堀に飛び込む準備中とか。


其の弐:四月(其の壱)〜おおっ〜
蓋を開けてみれば、開幕直前にその新庄が怪我で戦線を離脱してしまった。
しかしながら、日本全国の阪神ファン、ひょっとしたら日本全国のプロ野球ファンが注目していた 因縁の(?)開幕対巨人三連戦も勝ち越したし (ちなみに開幕カード勝ち越しは15年ぶりらしい、ついでに言うと開幕戦は九連敗、オープン戦の開幕戦は七連勝)、 4月16日には敗戦投手となったもののとうとう湯舟も復活し、もう言うことなしってとこでしょうか。

其の参:四月(其の弐)〜ああ所詮こんなもんか…〜
と言う喜びもつかの間、翌17日には嬉しいことに最下位に低迷していた巨人が、何かの間違いで 奇跡の再逆転勝ちを収め、とうとう五連敗の阪神が入れ替わり指定席入りしてしまった。 所詮こんなもんなのか、タイガース。
ところでそれと平行するように、浅香さんに端を発したサッチーバッシングが連日報道されたが、 これは巨人の陰謀なのだろうか?全く関係ないのだろうか?

其の四:四月(其の参)〜あれ?〜
その後七連敗まで行ってしまったものの、それから何を血迷ったか奇跡の六連勝で 25日に早くも借金完済。
さらに29日には広島に入れ替わって再びAクラス入り。30日も湯舟が早々と降板したものの、 これまた何かの間違いで新庄が大活躍し四月を勝率五割、しかも同率二位で終了 例年今頃は既に指定席に安住してしまっていることが多いことを考えると、やはり今年の阪神は違うのだろうか?
違うといえば今の所打線がおかしい。あの六連敗の頃は何時ものように地に落ちていたものの、 29日時点で何故か先発メンバーに三割打者が五人(坪井・和田・ブロワーズ・今岡・矢野)。 本塁打数はリーグ再下位は相変わらずだが、桧山が復活した関係で代打陣も 大豊・平塚・八木・佐々木・星野などなど、と一瞬選手層が厚そうな錯覚が…。
個人的には桧山・新庄のどちらかと平塚を入れ替えて欲しいのだが…。
あと投手陣は、今の所またまた何かの間違いで吉田豊が大活躍しているので、 湯舟・山崎・中込・船木・竹内の中であと一人くらいまともに復活して、 井上・山村・井川当たりが出てきてくれれば結構様になる陣容なんでは、とか思うのは親ばか?

どうしちまったんだシリーズ〜其の壱〜39矢野輝弘
おそらくこの人ほど「どうしちまったんだ?」と言いたくなる人はいないでしょう。 開幕まで決まらなかったという噂の正捕手の座を得てから、おかしい。 山田・定詰よりは打つかな、という程度のはずだったのに何故か開幕から打撃ベスト10をキープ(4月30日時点で.358で打撃成績六位)。
ひょっとして打撃は誰もが認める(今年も中日で同時点で.417で同三位)ものの、リードが全く駄目という評判だった 関川(結局外野をしている)とのトレードは阪神のフロントは賢かったのか?

どうしちまったんだシリーズ〜其の弐〜91吉田豊彦
四月は勝ち星には恵まれなかったが何かの間違いで絶好調の左腕。昨シーズン途中極度の左腕不足の為ダイエーから移籍。 去年は便利屋状態だったが今年はずっとローテーションを務めている。今となっては懐かしい92年…。仲田幸二の再来か?

どうしちまったんだシリーズ〜其の参〜55大豊泰昭
去年、シーズンオフの年俸交渉、オープン戦と散々叩かれていた大豊もおかしい。悲しいかな一塁しか守れないので、 両外国人が結構打っていて、怪我で開幕にいなかった新庄が復活して先発の機会が減ったが、代打でも大活躍。 野村監督の毒舌か効いたのか関係なのか、代打で出るたび期待にこたえる、去年が嘘のような活躍。


其の五:五月(其の壱)〜おおっ(その弐)〜
さて、セ・リーグのペナントレースの方は五月に入った時点で開幕11連勝の中日が独走。阪神と巨人が五割で二位。
1日の試合は惜敗してしまったが巨人も負けたので、試合数の関係で阪神はいつかぶりか知らないが 単独二位に浮上!!そのあと巨人戦にも二年ぶりの四連勝で、これまた二年ぶりの貯金2!!
更に更に11日にはヤクルトに8年ぶりの五連勝、あの92年最終戦以来の実に七年ぶりの貯金4を記録。 これまで聞くも涙、語るも涙の長い道程だった…。考えたらあの時から残っている選手ももう僅かに十人程…。
その後も勢いに乗る阪神は19日には二年目の井川が初先発初勝利でとうとう首位中日に1ゲーム差!! 21日にはとうとう大接近の0.5ゲーム差!!

どうしちまったんだシリーズ〜其の四〜52遠山昭治
五月の阪神の投手陣で最も話題をさらった人である。一時は打者に転向もした、去年テスト入団を果たした14年前のドラフト一位。 19日には一時一塁に回ってから再び登板という野村マジックを成功させ、22日には十年ぶりの勝利。 そして何より対左打者へのワンポイントとして信じ難い絶対的な安定感。巨人の上位左打者ゾーンもピシャリ。 田村も復活し伊藤との横手(下手?)投げトリオは絶好調。唯一の不安材料は皆さんお若くないこと。早く弓長・葛西復活してくれ!!

どうしちまったんだシリーズ〜其の五〜5新庄剛志
何だなんだナンダ、どうしたんだ、といった異常事態発生!!阪神が貯金をしているのと同じくらい異常事態発生!! 開幕には怪我で出遅れていた新庄が22日に規定打席数に達して何と打率ベストテン!! 和田や坪井がベストテンではない、毎年規定打席以上の下から何番目というちょっとすごい経歴の人がである。 しかも五月はその22日まで70打席程三振なし。打席数が少ないとはいえ、もちろんその時点で規定打席以上で三振数最少。 毎年三振王争いの常連だったのが嘘のよう。やはり開幕前の投手の練習が効果があったのか?

どうしちまったんだシリーズ〜其の六〜24桧山進次郎
低打率・高三振率といえばこの人もかなりおかしい。この人も開幕途中からの復活であるが、 何と打率が三割を超えている。しかも何故かボール球を振らない。一体この二人に何が起こったんだ?


其の六:六月(其の壱)〜頑張れタイガース…〜
阪神は五月の終盤に初の連敗(三連敗)を喫してしまったものの五月は貯金四で終了。五月の二十日頃から どうもチーム全体として大振りが目立ち、三振の数が増えてきたような気がしていて、やばい傾向だなあと思っていたら、 月の境当たりから今まで踏ん張って来ていた中継ぎ陣にも限界が来てしまったのか、どうもチームの歯車が狂い出してしまった。。
今年初めて観戦に行ったヤクルト戦三連戦なんかはその典型か。チャンスに三振、ホームランでしか点が取れない。 福原・伊藤当たりにも限界が…。こんな状況から早く抜け出してもらいたいものだ。
ところで一時静まっていたサッチーバッシングが元気を取り戻して来たのと、阪神の失速は関係ないのだろうか。 やはりこれは巨人の陰謀なのだろうか?それともやはり全く関係ないのだろうか?
それとも伝説の阪神に負けを呼ぶ男Iが観戦の計画を立て出したのと、 阪神の失速は関係ないのだろうか。それともやはり全く関係ないのだろうか?

其の七:六月(其の弐)〜つ、ついに…〜
そんな阪神はその連敗で三位に転落したあとどさくさ紛れに連勝し、とうとう9日に同率とはいえ、 実に六年ぶりの首位に立ったのであった。誰が計算したのか知らないが、 実に2209日振りらしい。今までの苦節六年を知らない人は、たった六球団しかないのによくこれだけ首位になれずにいれたものだ、 と思うであろう。
さて、中日が急降下し、最下位ながら憎っき巨人が復調しだし、 セ・リーグは一時の二強・四弱から団子状態に。一体このあとどうなるのだろうか。
この時点での阪神は、唯一の戦力・藪が死球を受け、川尻・メイもいまいち。吉田豊彦は一昔前の猪俣状態(?)と、 先発投手陣が壊滅状態でかなり苦しい。そのあおりでフル回転の中継ぎ陣が限界に近づいている。 一方の打撃陣は和田が怪我で戦線離脱、五月月間MVPの新庄が絶好調であるものの、 悩める四番ブロワーズが清原状態。ジョンソンもお疲れで得点能力が急降下中。このあとどんな展開が待っているのだろうか。

其の八:六月(其の参)〜四番新庄剛志〜
そんな中、野村監督もとうとう決意したのか、11日にとうとうブロワーズを下げ、好調の新庄が四番に。 翌12日の試合は、まさに新庄一人だけのための試合であった。八回裏に起死回生の同点本塁打、 延長十二回裏にはあの、サヨナラ敬遠球打ちの、四安打。 ついでにその前の回の裏、これまた新庄の三塁打を足がかりに無死満塁であったのを、 誰も期待していなかった山田、頼りにならないブロワーズ、最近また大振りの大豊が凡退した関係で 野手が底を突いたので、十二回の表には二塁を守ったりと、その他の話題も作った。 で、その翌日が三三振とこれがいかにも新庄らしい。


其の九:七月(其の壱)〜ブ…ブロワーズが…〜
阪神は結局疲れの見え始めた六月は借金五、通算で借金一で終了。
ところがところがところが……七月に入り、大異変発生。やはり地球最後の時なのか、 あのブロワーズまでもがおかしくなった。何と四試合連続打点で、チームも四連勝。三日には何と四の四。 それに刺激を受けたのか、ジョンソンも五月以来の復調。両外国人の復活で再び進撃始まるか?

其の拾:七月(其の弐)〜やはりあまかったか〜
しかし、やはり所詮は我らが阪神タイガースなのか、とうとう本当に力尽きたのか、 それから負けが込む一方。唯一の明るい話題は14日に湯舟が三ヶ月ぶりの登板で 十五ヶ月ぶりの勝利を飾ったことぐらいか。 まあ自分にとってはこれだけで満足なのだが…。

其の拾壱:七月(其の参)〜オールスターだ新庄だ!!〜
さて、阪神は最後は息切れ気味で、結局借金五で前半戦終了。で夏の祭典オールスター開幕。
第一戦の注目は松坂と上原(高橋・松井とかと一緒に五輪行ってくれんかな?)の投げ合いであったが、 第二戦は甲子園で最近さっぱりの藪がそこそこの好投。和田、矢野、新庄、ついでに関川までの四連打も あったり。新庄と矢野が優秀選手賞。第三戦は目立つ時には活躍する新庄が 最優秀選手賞。 この勢いを後半戦に…などと考えている所が甘いのだろうか。


其の拾弐:八月(其の壱)〜ブ…ブロワーズが…(その弐)〜
やはり甘かったらしく、その後も一度ついた勢いはなかなか止まらない。 四日には突然にブロワーズが解雇された。個人的には、打たないとはいえ阪神打線の中にあっては いないよりは(少なくとも代わりに出てくる塩谷とかよりは)かなりマシと思うのだが…。しかも最近ぼちぼち打ち出して来たし、 何より(どうせ又失敗するだろうけれども)代わりの外国人も見つけて来ていない感じ。 お金が返ってくる訳でなし、全く意図が分からん。とにかくブロワーズかいなくなってから三試合連続完封負け。 どうやら今年も我らが阪神タイガースは本格的に力尽きたらしい。そう言えばこれで新外国人主砲が三期連続途中退団。 おまけに二軍に落とされたメイの監督批判&退団要求と、昔懐かしい内紛がぽつぽつ(大豊事件もあったし…)。
そうなったらあとは例年の如く、最近復活した湯舟を応援するしかない。幸か不幸か、 湯舟が復活した7月10日頃以来阪神は、何と恐ろしいことに湯舟が先発した四試合のうち三試合で勝ったのみ(8月7日現在)。 つまりあとは全敗(でも何故かなかなか指定席に落着かない…やる気あるのか広島!!)。 最近の阪神の先発陣は川尻・メイ・吉田豊彦が二軍落ち、上がって来た中込が92年を彷彿とさせるような 孤独な報われない好投をしている以外は、絶不調藪、マイペース湯舟、また新しくやって来たミラーという使えるか未知数の 新外国人以外は誰がいるんだ?舩木かな?あと、最近(でもないか)某G軍団有利の判定が多過ぎる気がするんだが…。

其の拾参:八月(其の弐)〜そしてメイもいなくなった…〜
そんなこんなで例年のように歯車が狂い出したタイガース、13日の金曜日にはもめていたメイがとうとう帰米。 同日、こちらは治療のためではあるが故障のリベラも帰国。
この13日、湯舟の先発でチームはまた久し振りに勝利を収めたのであるが、何と恐ろしいことに 新加入のミラーの初白星の15日まで、この一ヶ月間、勝ったのは湯舟が先発した(五試合のうちの)四試合のみ。 ここまで落ちてくると野村監督もどうしようもないのか、最近の采配も意図のよく分からん事が多い気がするのだが、 気のせいか。何で和田や桧山を出さないんだ?
ついでにこないだ判定についての文句を書いたが、何だか審判の連盟かなんかでも問題になったらしく、 今後審判も能力制にするとかしないとか。

其の拾四:八月(其の参)〜最後のあがきか?〜
何が起こるか分からないのが野球とは誰が言い出したのか知らないが、何故か22日に舩木の好投で対巨人戦の 連敗を止めたあと、翌日にはミラーの決勝弾で久し振りに巨人戦に勝ち越し。
そのあと何と不思議なことに29日まで阪神は勝ち続け、何時の間にか六連勝。 この勢いで五割復帰…などと考えている所が甘いのだろうか。


其の拾五:九月(其の壱)〜来年があるさ〜
やはり甘かったらしく、その後も一度ついた勢いはなかなか止まらない。 折角六連勝をしたと思えば今度は七連敗。一つ勝ったと思えばまた連敗。まあ毎年の事なんだけど…。 これまで勢いを支えていた矢野が死球でリタイア、何でか知らんが和田の出番が少ない、ってことで そろそろ本格的に楽しみがなくなってきた。桧山が打席数が足りないので今年は三振がいまいちなので、 狙えるタイトルも藪の最多敗ぐらい。
という訳で九月は中日と巨人の対戦相手を応援する日々。でもちょこちょこラジオ (しかも1008の大阪朝日…ただでさえ遠い上、家の廻りは電波障害なのでほとんど暗号解読状態)を つけてしまう所が哀しい。

其の拾六:九月(其の弐)〜来年があるさ(その弐)〜
やっと連敗が止まったと思ったらそれからまた怒涛の12連敗。それまで最下位を独走していた 広島にとうとう追いついてしまった。そんな中、何故か大豊が絶好調。


其の拾七:十月(其の壱)〜どうしたんだ大豊〜
全く明るい話題のなかった最近の阪神で、一日に何故か大豊があのバースを抜いて球団新の 26試合連続安打

其の拾八:十月(其の弐)〜出来の悪い子が我が家に帰って来た〜
そして阪神の今年の話題はこれで終わった。最後の天王山、広島との直接対決を制して、 堂々の指定席入り。
中日で関川と久慈が活躍していたので今年もよしにしよう、と前向きな発想。


其の拾九:後書き〜わが愛しの阪神(タイガース)〜
何処かで聞いたことのあるタイトルだ。これを聞いてぴんと来る人は凄い、いや、おかしい。 種明かしをすると、これはあの85年に刊行された新田たつお氏の漫画のタイトル。 その名も東大(「あずまだい」と読む)という家庭教師の活躍(?)する訳の分からない、 取りあえず阪神ファンにしか分からないだろうお話し。
さて、本題に戻ろう。そう、今年も阪神は最下位であった。しかも秋の声を聞いてから面白いくらい勝っていない。 後半は毎年のように阪神と巨人でない方を応援する毎日…。 ぼろ負けしていてテレビやラジオを消していても、ひょっとして、とおもって十分ぐらいしたらこっそりスイッチを入れ、 点差が開いたのを知り落ち込む日々…。 しかし、それもシーズンが終わってしまい、もう半年間そんなこともないのだと思うと、 何とも言えぬ寂しさが込み上げて来る。
でも、また来年があるさ。

終章
阪神の奮闘1998