鉄路50年 |
京阪電気鉄道株式会社謹呈(非売品) 1960 全772頁 |
京阪電気鉄道株式会社1960年に開業50周年を記念して編纂された社史。
非常に分厚く、重い。その性格上京阪の経営や歴史、現状と将来展望などについて
内側の視点から書かれたもので、模型や鉄道趣味の資料としては然程役には立たないため、
そういう目的での購入はお勧め出来ない。ただ内部からでないと出てこない資料性の高い写真も数葉ある。
元が非売品であることもあり、オークションでは高値が付くことが多いが、純粋に
鉄道会社としての京阪を詳しく知ろうとするのでなければ然程必要性は高くないと思われる。 |
ミニ・ヒストリー 京阪電車・車両70年 |
京阪電気鉄道株式会社 1980 全64頁 |
20年後の1980年に、こちらは一般販売の形式(当時定価800円)で販売されたもの。
最初の1型から1980年当時の最新車両まで、特殊なものを除けば全ての型の図面が掲載されており、
資料としては一級品。工作派必携の書。ただしそのうちの幾つかは比較的入手が容易な
「鉄道ピクトリアル」の特集などに縮小されて掲載されている。ただし、文字としての車両解説は
一般の雑誌の特集記事の足元にも及ばない。こちらもオークションではかなりの高値が付くことが多い。 |
SIDE-VIEW KEIHAN.1,2 |
レイルロード社 1994 全96,72頁 |
レイルロード社が発売していたSIDE-VIEWシリーズ。京阪は全2巻で、それぞれ定価が4300円、3700円と非常に高価で
あったこともあり、オークションなどでも滅多に見かけない。タイトル通り京阪の各形式の側面からの写真が延々と
載っているだけであるが、模型製作の視点からは非常に資料性が高い(正面からの写真は美的には良いが、ありふれており、
模型製作で分からなくなってくるのは資料が少ない側面のことが圧倒的に多い。屋根上/床下機器、妻面の写真などはさらに少ない)。
またそれほど長くはない解説には、結構気付かないようなマイナーチェンジ、更新での変更点が書いてあり、参考になる。
管理人の花博特別塗装車もこの本を参考にした。1巻が大津線及び本線の1000系〜2600系で、2巻に3000系以降が収録されている。
個人的には2巻最後部の事業用車両側面写真はかなり貴重と思う。 |
鉄道ピクトリアル 80年11月号(No.382) |
鉄道図書刊行会 1980 全112頁 |
当時定価800円。後の京阪特集と異なり増刊号ではなく通常の月刊誌としての京阪特集のため、京阪の記事は全体の1/3ほど。
一応開業70周年特集というサブタイトルが付いている。個人的には先ず表紙の写真が何故鉄道専門誌では
ありえないピンボケ(正面ではなく後ろにピントが合っている)のか、が気になって仕方がない。内容も
後の増刊号と比較すると、車両、歴史、その他の解説全てに渡ってあっさりしており、資料価値としては劣る
と思われる。80年当時の編成表は載っており、その時期ピンポイントで少しでも詳しい情報が知りたい
という場合以外は然程必要性は高くないと思われる。年代物であることもあり、オークションでは高値が
付くことが多いがそれほど流動性が高いとも思われず、稀に状態の良いものが破格の値段(定価前後…
極稀に1000円割れ)であることもある。これは鉄道系雑誌全般(70年代以降〜)に云えることである。
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鉄道ピクトリアル 84年1月号増刊(No.427) |
鉄道図書刊行会 1983 全200頁 |
当時定価1250円。初の京阪特集増刊号。1500V昇圧を機とした発刊(当然取材は昇圧直前)。 これ以降の増刊号三冊に共通して云えるが、(それ以前の時代のものも含めて)写真も多くなり、かなり 史料価値も高い。車両解説は前382号と比べると劇的に詳しくなったが、後のものと比較するとまだ あっさりしているか。当時最新鋭の6000系についての解説はしっかり書かれているが、それに 追い出される形の1300系、1700系、600系についての解説があまりないのが残念。個人的には 中に織り込まれている(カラー写真を見たことがない)戦前〜初代特急時あたりの二代目1000系の カラーイラストが載っているのが最大の評価ポイント。 |
鉄道ピクトリアル 91年12月号増刊(No.553) |
鉄道図書刊行会 1991 全236頁 |
当時定価1340円。管理人が製作しているBトレイン、レイアウトの年代そのものの 発刊であり、管理人にとってのバイブル。時期的には鴨東線が開通し8000系が登場、 3000系が数を減らすもまだ現役、2階建て車両、7000系はまだ登場していない、 というところ。諸解説もかなり詳しく、車両の編成、改造などに参考になる情報も かなり載っている。当時既に廃車になってしまっていた1800系以前の車両の解説は 695号よりも詳しい。かなりお勧めの一冊。 |
鉄道ピクトリアル 00年12月号増刊(No.695) |
鉄道図書刊行会 2000 全244頁 |
当時定価1520円。二階建て車両が揃い、8連化が終了、特急が中書島、 丹波橋に停車するようになり、京橋〜七条ノンストップの歴史が終わった直後の刊行。 現役車両解説記事は十分詳しかった553号をさらに上回る。車両の写真に関しては553号を 若干下回る印象。歴史解説も含め、同じ会社を扱っているので当然同じ内容を繰り返して 書いているのだが、全般的に553号の単なる焼き直しでなく、補完的な情報が書かれて いるのが好感を持てる。 個人的には553号と695号を押さえておけば90年代〜2000年代前半に関しては完璧ではないか と考える。近年の発刊であるため比較的安価で入手できることが多い。 |
鉄道ピクトリアル 09年8月号増刊(No.822) |
鉄道図書刊行会 2009 全300頁 |
当時定価2000円。開業100年を控え、悲願の中之島新線が開通し、新3000系が 登場、それに合わせた新塗色が登場した時点での刊行。 刊行直前に非常に長い現役を退いた1900系の解説記事はあるが、これまでの 特集では存在した過去の車両解説の項が激減しているのが個人的には残念。 これは90年代前半を収集対象としている管理人の視点であって、 巻末に載っている(1900系を含む)発刊時の全車両の台車形式などまで纏めた 総覧はなかなか資料的価値が高い。当然ながら2000年代後半の京阪の資料としては 超一級品。 |
鉄道ファン 99年10月号(No.462) |
交友社 1999 |
この当時『大手私鉄多数派系列ガイド』という連載があり、その 第六回目として京阪の2600系が紹介されている。全部で11頁の記事であるが、 車体構造、前面形状、台車を始め、中間車改造、クーラー形状など京阪史上 最もバラエティーに富んでいるであろう2600系の各車両の違いを徹底的に 分析した超力作記事。2600系をそれなり(Bトレインの素組み以上の加工) に作りこもうと思うとこれがなくては話にならない、といえる位の文献。 別冊特集でなく通常月刊誌なのでピンポイントではなかなか見つからないが、 根気よく探せばオークションでも時々安価で入手可能。 |